加重平均の誤差伝播
に https://kei-itof.goat.me/heZeNIQCCQ で公開(に更新)履歴 (2)
https://maxi.wemo.me/ を更新していたのですがビンまとめの式のよい参照先が見つからなかったためここで導出します。
## 測定結果をまとめた量
ある量xの測定結果がN回分あり、それぞれの測定の精度(分散)σ2が得られているとします。
#math1x1,x2,...,xNσx12,σx22,...,σxN2(1)
xiの加重平均 u がほしいとします。
#math2u=∑i=1Nai∑i=1Naixi(2)
このときuの誤差(分散)が最小になるaiを導出します。
まず、あるaiの組み合わせでσu2が最小になっているなら、そこからaiの値がずれるとσu2は大きくなります。これはσu2がそのaiの組み合わせで極値をとっているということです。
#math3∀i∈{1,2,...,N}:∂ai∂σu2=0(3)
次に、uの誤差伝播の式は次のようになります。
#math4σu2=i=1∑N(∂xi∂u)2σxi2(4)
uの微分は(2)を使って計算できます。
#math5∂xi∂u=(2)∂xi∂∑j=1Naj∑j=1Najxj=∑j=1Najai(5)(6)
すると(4)は次のようになります。
#math6σu2=i=1∑N(∂xi∂u)2σxi2=(6)(∑i=1Nai)2∑i=1Nai2σxi2(7)
これを極値の条件(3)に代入します。
#math7∂ai∂(∑j=1Naj)2∑j=1Naj2σxj2∂ai∂(j=1∑Naj2σxj2)(j=1∑Naj)−2=0=0(8)(9)
このまま計算すると横幅が足りないので以下のf,gを定義します。
#math8f(a1,a2,...,aN)g(a1,a2,...,aN)=j=1∑Naj2σxj2=(j=1∑Naj)−2(10)(11)
それぞれ微分を計算します。
#math9∂ai∂f∂ai∂g=∂ai∂j=1∑Naj2σxj2=2aiσxi2=∂ai∂(j=1∑Naj)−2=−2(j=1∑Naj)−3∂ai∂j=1∑Naj=−2(j=1∑Naj)−3(12)(13)(14)(15)(16)
(9)の続きを計算します。
#math10∂ai∂f⋅g(∂ai∂f)g+f(∂ai∂g)(2aiσxi2)(j=1∑Naj)−2−2(j=1∑Naj2σxj2)(j=1∑Naj)−32(j=1∑Naj)−3(aiσxi2j=1∑Naj−j=1∑Naj2σxj2)aiσxi2j=1∑Naj−j=1∑Naj2σxj2=0=0=0=0=0(17)(18)(19)(20)(21)
(21)をaiについて整理します。
#math11ai=σxi21∑j=1Naj∑j=1Naj2σxj2(22)
両辺をi=1,2,...,Nについて足し、∑j=1Naj2σxj2について整理します。
#math12i=1∑Naij=1∑Naj2σxj2=i=1∑Nσxi21∑j=1Naj∑j=1Naj2σxj2=(j=1∑Naj)2(j=1∑Nσxj21)−1(23)(24)
(24)を(22)に代入します。
#math13ai=(24)σxi21(j=1∑Naj)(j=1∑Nσxj21)−1(25)
(24)を(7)に代入します。
#math14σu2=(∑i=1Nai)2∑i=1Nai2σxi2=(24)(j=1∑Nσxj21)−1(26)
ある量xの複数回の測定結果xiとその分散σxi2が得られており、その加重平均
#math15u=∑i=1Nai∑i=1Naixi(27)
の誤差(分散)が最小になるaiとそのときの分散σu2は次の式で表されます。
#math16aiσu2=σxi21(j=1∑Naj)(j=1∑Nσxj21)−1=(j=1∑Nσxj21)−1(28)(29)